テーマとストーリーからみた必殺シリーズの変遷 最後に

○最後に

翔べ!必殺うらごろし」で必殺の基礎・土台を一度解体し、次作の「必殺仕事人」でシリーズをあらたに生まれ変わらせたというのが、ファンの最大公約数的な見解なのかもしれない。

筆者自身の個人的見解を述べれば、この時点でスタッフたちは2つの選択肢を迫られたと考える。マンネリ化しない新鮮な作品を作りたいのであれば、必殺シリーズの継続にこだわらず、新しい設定のあらたな作品を作り出す。必殺シリーズの継続にこだわり基本フォーマットを踏襲した作品作りを続けるのであれば、もはやマンネリ化におちいるのは避けられない。

あらたな設定の作品のアイデアも浮かばないし、冒険した「うらごろし」は視聴率が低迷した。だから、いつマンネリ化におちいってもかまわないから、もう一度基本フォーマットを踏襲したオーソドックスな(ただし新しさはない)作品を作ろう、そうして出来たのが「必殺仕事人」であろう。

「仕事人」のストーリーは、序盤はフィクション色のつよい作品が何本も作られたが、途中から「カタルシスプロット(悪役の悪事、仕事の依頼の原因となる事件・出来事、頼み人・被害者の悲しみの姿を描いたプロット)」に基づいた「カタルシスドラマ」「シリアスドラマ」が大半を占めたように思える(ただし、「仕事人」に関しては全話みたわけではないので、正確なことはいえない)。

必殺仕舞人」以降の作品はリアルタイムで一通りみたが、大部分が「カタルシスプロット」に基づいた「カタルシスドラマ」「シリアスドラマ」であったはずである。